「髪を洗ったときにいつもより髪が抜ける」
「毛が前より細くなった」
「鏡を見たときに髪の間から頭皮が透けてきた」
こんな現象や変化は起こっていませんか?
実はこういった変化は薄毛が進行し始める最初のサインです。大事な事は原因を知り、早めの対策をする事です。
僕は美容師を15年やってて、今まで2万人以上のお客様を担当してきました。薄毛のお悩みを持つ方も少なくないため、一人一人の髪と頭皮の状況に合わせて適切なアドバイスをお伝えしてきた経験があります。
この記事では4つの薄毛の原因をお伝えし、今日からできる対策をお伝えします。最後まで読めば自分に合った対策を理解できるのでぜひご覧ください。
原因①男性ホルモン

薄毛の原因は男性ホルモンの一種である、ジヒドロテストステロン(DHT)にあります。ジヒドロテストステロン(DHT)とは男性ホルモンのテストステロンが体内の5aリラクターゼという酵素と合体するとジヒドロテストステロン(DHT)という悪い男性ホルモンに変化します。
この悪い男性ホルモンが髪を攻撃する事によって成長シグナルを阻害し、髪が生えにくくなってしまいます。複雑な要素が絡んだこの原因は遺伝による影響が大きいです。AGAと呼ばれる男性型脱毛症の多くの原因は、遺伝・男性ホルモン・5aリダクターゼなどの要素が複雑に絡み合う事によって発症します。
原因②血行不良
頭皮の血行不良が原因で髪の毛は薄毛につながります。髪に必要な栄養は頭皮に張り巡らされている毛細血管を通り、血液を介して毛根に送り届けられるため、血行不良に陥ると髪に十分な栄養が行き届かなくなり、髪の毛は細くなって抜けやすくなります。
オススメの対策は頭皮マッサージ

今日から自宅で簡単にできるケア方法です。これは実際に美容室に来てくれるお客様にもオススメしてるホームケアになります。
やり方は、お風呂でいつも通りシャンプーした後に、すぐ流さず泡立ってる状態で指の腹を使って5分間を目安に頭皮をマッサージしてあげましょう。
ポイントはシャンプーを泡立てた状態でマッサージすることです。
理由はシャンプーの泡が摩擦防止の役割をしてくれて髪や頭皮の負担を減らしてくれるからです。頭皮マッサージをすることによって、頭皮の血流が良くなり、髪に必要な栄養素がしっかりと行き渡りやすくなります。ぜひ今日から実践してみてください。
原因③生活習慣

生活習慣の良し悪しも髪の成長に大きく関わってきます。生活習慣で特に気をつけたいのは
- 食生活
- 睡眠
- ストレス
この3つです。順に解説していきます。
こんな食生活はNG
基本的に暴飲暴食や無理なダイエットは頭皮環境を悪化させ、薄毛の進行を早める可能性があるので注意が必要です。体に良いバランスの取れた食事をするのが元気な髪の毛を生やす秘訣です。
例えば油物をとり過ぎると皮脂の過剰分泌に繋がり毛穴を詰まらせ頭皮環境の悪化に繋がります。逆に油物を取らなすぎても頭皮の皮脂不足による乾燥に繋がり、毛根への栄養供給を妨げたり、痒みによる物理的な刺激、炎症を助長させたりすることで、抜け毛の原因になります。バランスの良い摂取を心がけましょう。
薄毛予防に効果的な栄養素と食べ物は?
薄毛の予防に効果的な栄養素は、タンパク質・ビタミン・ミネラル・必須脂肪酸です。
これだけだと分かりづらいので具体的な食べ物や効果を詳しく解説していきます。
1、髪の主成分になる(タンパク質)

- 卵:良質なタンパク質とビオチンを豊富に含む
- 鶏胸肉・赤身肉:髪の主成分ケラチンの材料
- 魚(サケ・イワシ・サバなど):タンパク質とオメガ3脂肪酸で頭皮環境を改善
- 豆類(大豆・納豆・豆腐):植物性タンパク質とイソフラボンでホルモンバランスの調整
2、髪の成長を助けるビタミン類

- 豚肉・ナッツ:ビタミンB群(特にB2・B6・ビオチン)→新陳代謝と髪の毛の生え始めをサポート
- 柑橘類・キウイ・パプリカ・ブロッコリー:ビタミンC→コラーゲンの生成を助け、毛根強化
- アーモンド・ひまわり油・カボチャ:ビタミンE→血行促進で頭皮に栄養を届けやすくする
3、髪の成長に欠かせないミネラル

- 牡蠣・牛肉・カボチャの種:亜鉛→発毛に必須。欠乏すると抜け毛が増える
- レバー・ほうれん草・ひじき:鉄分→毛根への酸素供給をサポート
- ナッツ類・魚介類:セレン・銅→抗酸化作用やメラニン生成に関与
4、健康な頭皮を作る脂質(必須脂肪酸)

- 青魚・アマニ油・チアシード:オメガ3脂肪酸→炎症を抑え、頭皮環境を改善
- オリーブオイル・アボカド→抗酸化作用と保湿効果
5、薄毛を予防するのにオススメな献立例
朝:納豆+卵+玄米ご飯+味噌汁(ワカメ、豆腐入り)
昼:ひじきご飯+サーモンのグリル+ほうれん草のおひたし
夜:雑穀米ご飯+鶏胸肉とブロッコリー炒め+カキフライ(少々)+アボカドサラダ
間食:アーモンドやナッツ、柑橘系フルーツ
食べる量を増やしたい場合は以下の3つの方法で調整がオススメです。
・主食を増やす
活動量が多い人は玄米や雑穀米少し多めにしましょう。炭水化物不足は代謝低下を招きます。
・タンパク質を追加
鶏むね肉・ゆで卵・豆腐・ギリシャヨーグルトをプラス。髪の主原料をしっかり補えます。
・野菜を増やす
ビタミン・ミネラル不足を防ぐためにサラダや温野菜を追加しましょう。
さらに、忙しかったり偏食気味で栄養分の不足が心配な方はサプリメントで補うのもありです。※あくまで食事の補助程度に
睡眠不足は要注意

なぜ睡眠不足は要注意なのか。理由は以下の3つです。
1、成長ホルモンの分泌減少
髪の成長や修復に関わる成長ホルモンは、お深い眠り(ノンレム睡眠)の間に多く分泌されます。睡眠不足は成長ホルモンの分泌を減らし、毛髪の生成に必要なタンパク質の生成が十分に行われなくなる可能性があります。
2、血行不良
睡眠中は副交感神経が優位に働き血管が広がり、血行が良くなります。睡眠不足で交感神経が優位になると血流が悪くなり、毛根に必要な栄養や酸素が行き届かなくなり、髪の成長が鈍くなります。
3、エネルギー不足
慢性的な睡眠不足は、身体のダメージ回復が優先されるため、髪の毛に必要なエネルギーが不足します。毛母細胞の分裂や活動にも多くのエネルギーが必要ですが、エネルギー代謝が低下し、髪の成長に悪影響を与える可能性があります。
薄毛対策としての睡眠習慣
睡眠時間は7〜8時間が理想的
睡眠中は成長ホルモンが活発に分泌され、細胞修復や新陳代謝を促進し、毛髪の健全な成長に寄与するため、夜更かしは避け、規則正しい生活リズムを意識することが大切です。
睡眠の質を上げる方法
とはいえ、忙しくてなかなか睡眠時間を確保する事が難しい人も多いと思います。そんな人は睡眠の質をあげてカバーしましょう。
毎日同じ時間に起床し、朝日を浴びると、体内時計のリズムに合わせて、睡眠の質を高めるメラトニンの分泌が適正なタイミングで行われます。したがって仕事の日も休みの日も予定の有無に限らず規則正しい生活を送る事がとても重要です。
また、就寝時間が遅くなりそうな時は以下を意識すると睡眠の質向上に繋がります
- 寝る3時間前には食事を済ませる
- 寝る前のカフェイン、アルコール摂取を控える
- 入浴は寝る2時間前
- スマホやパソコンの画面をみるのは1時間前にする
寝る前に脳をなるべくリラックス状態にしておく事がとても大事です。
ストレス

ストレスも頭皮や髪に悪影響を及ぼします。イライラして髪を引っ張ってしまったり、落ち着かず髪を頻繁も触ってしまうことで髪が抜けてしまい、薄毛に繋がるケースも考えられます。
ストレスを無くす事はなかなか難しいですが、自分なりのストレス解消方法を実践して、ストレスを減らしていくのは非常にオススメです。
例えば、趣味とかですね。運動や買い物をしたり、映画を見たりしても良いでしょう。身近な人に愚痴を聞いてもらうだけでもかなり変わるかもしれません。ポイントは定期的にストレス発散をし、溜めない事です。
原因④間違ったヘアケア

間違ったシャンプー選びとシャンプーの仕方には要注意です。
チェックポイント
- 洗浄力は強すぎないか
- 薬用成分は配合されているか
- 洗いすぎていないか
- 洗わず放置してないか
洗浄力が強いシャンプーだと頭皮に必要な油分も洗い流してしまい、過度の乾燥状態になります。炎症などのトラブルにつながる恐れがあるのでアミノ酸系の洗浄力がマイルドなシャンプーを使うことをお勧めします。
そして抗炎症作用が含まれた薬用成分配合のシャンプーもオススメです。シャンプーの頻度は毎日行い、2度洗いがオススメです。理由として1度のションプーだと表面しか洗えてないことが多く、毛穴までしっかり洗う事ができないからです。特に男性の場合、汗や皮脂の分泌量が女性の約2倍、尚且つ粘度も高く、毛穴に汚れが詰まりやすいという事もあります。
シャンプー選びのポイント
分類 | 成分例 | 特徴・注意点 |
❌避けるべき洗浄成分 | ラウリル硫酸Na ラウレス硫酸Na | 洗浄力が強すぎて頭皮の刺激になる |
❌注意したい添加物 | シリコン・防腐剤 合成着色料・合成香料 | 頭皮への刺激・痒みや赤みの原因になる事がある |
🟢理想の洗浄成分 | ・ラウロイルメチルアラニンNa ・ココイルメチルタウリンNa | 頭皮・髪に優しい。低刺激で適度な洗浄力 |
乾燥肌向け | ココイルグルタミン酸TEA | 保湿力が高く、敏感肌、乾燥肌にオススメ |
脂性肌向け | ・ココイルグリシンK ・ココイルメチルタウリンNa | 洗浄力やや高めで、皮脂が多い頭皮に合う |
間違ったシャンプーの見分け方は成分表記の裏を見てください。見た時に例えばラウリル硫酸Naやラウレス硫酸Naなどの高級アルコール系界面活性剤を洗浄成分として使用しているシャンプーは選択肢から除外しましょう。また、シリコン・防腐剤・合成着色料・合成香料なども頭皮に刺激を与える可能性があるので注意が必要です。
ではどんなシャンプーが理想なのかというと、頭皮に優しいアミノ酸系の洗浄成分配合のシャンプーです。成分表を見た時に例としてラウロイルメチルアラニンNa・ココイルメチルタウリンNaが入っていれば安心です。乾燥肌ならグルタミン酸系、脂性肌ならグリンシン系・タウリン系がオススメです。
お風呂上がりはドライヤーでしっかりと乾かしましょう

お風呂上がりにしっかりとドライヤーで乾かすことも大事です。自然乾燥でいいやと思いがちですが、その状態、実は頭皮に雑菌が繁殖しやすい環境なのです。
雑菌は水気を帯びていて生ぬるい環境が大好きです。つまり濡れた頭皮はまさに雑菌の温床となります。頭皮に雑菌が繁殖するとターンオーバーの乱れ、かゆみ、フケ、炎症などの様々な頭皮トラブルを起こす引き金になり、薄毛に繋がる可能性があります。お風呂上がりはしっかり乾かして清潔な頭皮環境を維持していきましょう。
まとめ
美容師として多くのお客様を見てきましたが、薄毛は“気づいた時に行動するかどうか”で進行が大きく変わります。今日からできる小さなケアを一つでも取り入れて、未来の髪を守っていきましょう。
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